3時間SPの感想

Admin

今回のチェックは、シブいところというか、見たかったところが出てうれしかった。放映時には番組的にはどちらかというと地味で印象の薄い修行人だったと思うけど、いずれも「家族愛」があふれた放送だった。

まずはみのさんチェック訪問。

■胡心房
長女の麺の湯きり姿が様になってかっこいい。
1.3万円→1日の売上15万円。町田の行列店へ。
上澄みの脂を丁寧にとって後味あっさりに仕上げた、とんこつスープ。
肉玉ラーメン1100円。
借金も娘が肩代わりして7400万円→4000万円。

ちなみに、達人林訓美は、あのあとしばらくして上野のお店を閉めてしまって、どうなったのかと思っていたが、鎌倉に完全予約制の高級創作料理のお店を出しているようだ。

中国精進料理 凛林
http://www.kamakura-rinrin.com/

■暁園
娘さんは結婚し、今は親子2人で繁盛宿へ。
楽天市場「茨城お食事ランキング1位」獲得。人気の取りにくい宿へ。
息子のほうは苦労のせいか、30歳代の割にはやや老けた容貌(^^;
みのもんたももらい泣き。
90年代の最盛期に月の売上120万円が番組出演時には20万円に落ち、今では105万円に戻ったという。(20年間で点が6つしかない結構粗い折れ線グラフもどうかと思うが)

しかし、よく考えると月105万円ということは30日で割ると1日平均3.5万円。
1泊2食で約1万円なので、1日の宿泊客は平均で1~2組。宿泊は週末に固まるのだろうから、平日はまだまだ稼働率0の日も多いのだろう。まぁ場所柄、こんなもんかとも思いますが。

あと、アンコウにあまり関係の無い箱根の料理旅館が、修行人のためにわざわざアンコウ料理を考えて、教えてくれたというのは、いまさらながらすごい事だと思う。

■めちゃうま亭
なんと、店舗販売はやめてすべて注文デリバリーへ。
閉店→移転情報→閉店→急募→めちゃうま亭の車発見という小芝居はともかく。
みのさんがお店に入っていって、弁当が並んでいるシーンはとても良かった。
多いときは1日20万円弱へ。パートなど7人を雇う株式会社の社長へ。
番組出演時2DKのアパートだったのが、2年前には6LDK6000万円の一戸建て購入へ。孫や犬に囲まれて充実の人生。

味噌汁+お茶で700円のおまかせ弁当。

競争は厳しいけど店舗販売より注文デリバリーのほうがロスが少なくて利益率は良いはずなので、「店」から「企業」と、ひとつ上のステージに上がった感じ。

みのさんの抜き打ちチェックもいいけど、個人的には、成功した店主のところには、修行したお店の達人屋店舗スタッフの人に訪問してもらいたいとおもうんだよね。「10年間よくがんばった!」って言ってもらうだけで、この先10年間、もっとがんばれるのではないかと思う。

■3人修行

キートン山田?のナレーションが懐かしい。やっぱりこうでなくっちゃ。
達人の怒りあり、やさしく厳しい言葉あり、涙あり…。
特番なので「番組放送後大盛況」の絵が無いは仕方ないが、借金状況や売上状況に対する説明が少ないのはちょっとさびしい気がした。

こんなに大変な状況だからなんとかしないといけないという、崖っぷち状況を提示して欲しいんだよなぁ。子供にランドセルを買ってやれないとか、会社を辞めて老人介護をしないといけないとか、親が急死して跡を継ぎたいけど、どうしたらいいか分からないとか…。

昔と違って個人情報の問題とかいろいろやりにくいのだろうと思うが、それが愛貧店主を応援する糧になるのだから…。

たとえば定点カメラで数日間隠し撮りしておけば、トキさんのふだんの接客がどういうものなのかが見えてくる気がするし、やればできてしまう大ちゃんなんかも、暇なのに手を抜くチャランポランぶりが出てくるはずで、もっとそういうのを見たいのだ。

どこかの掲示板に「良い子(大ちゃん) 悪い子(トキさん) 普通の子(松ちゃん)」という比喩があったが、言いえて妙だ。

■トキさん 40歳 この道22年
飛天
住所:埼玉県三郷市戸ケ崎2248
営業時間:??

トキさんはコミュニケーション力に難があるみたいだけど、これは40歳にして直すのは難しそう。裏方の料理人として働くのであればいいけど、店の主としてお店をまわすのは難しい気がする。

(いらっしゃいま)「せ~」というキャプションとか、恩人の名前を忘れるトキさんには笑えた。

達人が「トキさん一人ではダメだ」と看破したのは、辛い選択なのでしょうが必要な一言だったのだろう。TVからも、トキさん一人では無理っぽいオーラを漂わせていたけど。

同情するとしたら、きっと小さい頃から兄貴はぼんやりしていて、弟はしっかりしていて、なにかにつけて比べられてきたんじゃないだろうか。声の出し方や態度からも、コンプレックスが積みあがって自分をのびのびと出せていない気がした。なんとなく、かつてのオッチを思い出したなぁ。

家族の絆によって助けられている一方で、それがコンプレックスの根源という矛盾した問題をはらんでいるように思うので、一筋縄ではいかないケースのように感じる。

食べログには、放送翌日にラーメンを食べに行った人のレビューが載っていますが、TVクルーも入っていたようなので、どこかで放映する可能性もありそう。
http://r.tabelog.com/saitama/A1102/A110205/1101957...

■大ちゃん 33歳 月商500万円の繁盛店からの転落
■麺屋 翔■
住所:東京都新宿区西新宿7-22-34
営業時間:11:00-21:00/土祝 11:00-17:00
定休日:日

もともと池袋のラーメン名作座という屋台村みたいなところで、麺屋 翔で2005年11月に開店したお店。
池袋から西新宿に移転して赤字ということなので、基本的には力がある人なんだと思う。
食べログを見ても、前から高評価だったのが、どうしても修行先の「一燈」と比較されてしまい辛目の評価が目立つ。
この先、いままでの塩そばを復活して二刀流で行くのかどうするのかが見所になる。
(そもそも家賃が釣り合っていないのかもしれない)

いずれにしてもこのお店には、ほとぼりが冷めてから行ってみたいなぁ。

■松ちゃん
■味一■
住所:東京都新宿区高田馬場4-13-13
営業時間:11:00-15:30,17:00~21:00/土日祝 11:00-17:00
(スープ切れ次第終了)

終盤、試験に不合格となり、鹿児島での火炎修行する様は壮絶。巨人の清原や家田荘子等もやったという鹿児島・最福寺の護摩行。愛貧でも1~2度登場しましたが、このSPで出てくるとは。

全般に雑というか手を抜くところが問題なのだから、松ちゃんの人間力ということからいえば、小田原に戻り、原点を見つめて親の代から受け継ごうとしている小田原味噌のラーメンを活かす道は無いのかなぁと思いつつ見ていました。

奥さんがいい人で「人間力」にあふれています。


■こうじグループ
どのお店の店主も、ラーメンの商売人としての活力がみなぎっていて素敵です。
今回の修行で一番画期的だったのは、ひとり1日ずつの模擬店舗販売。
だれの発案かわかりませんが、こんな太っ腹な修行をよくOKしたものです。

あと、制作にゼロクリエイトの名前はありませんでしたが、ニューズクリエイトの名前がありましたね。

幻の「ペンキ屋」の回

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2002年05月06日放映の、抜き打ちチェック拡大スペシャル第20弾では、次週予告でペンキ屋修行の予告が流されていました。当時見ていて「食べ物屋さんじゃ無い!」と思ったので間違いありません。しかし、翌週はカフェFUNの放映でした。放映1週間前に何があったのでしょうか?

番組の性質上、きっと放送できないものがいくつかあったに違いありません。放映までにお店が潰れてしまったということもあったのでしょう。

やらせと演出

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もう20年近く昔のテレビ業界の話ですから今のようにコンプライアンスとか個人情報を細かく言うような時代ではありませんでした。当然そこにはバラエティ番組として面白くしようとするテレビ側の「演出」が入ってきます。そのため、愛貧のお店めぐりをしていると、ご主人の口から「やらせ」や「演出」の話が出てきます。これはお店めぐりをする楽しみの一つでもありました。

たとえば、番組にはご主人や達人が泣いたり怒ったり切れたりする場面が頻繁に登場しますが、達人も修業人も普通のことではそうそう腹を立てたりしません。そこで番組側のスタッフは、感情をあらわにさせようとあの手この手で「演出」をしていたようです。もちろん番組には台本があり、達人側はもちろん、場合によっては修業人の手にもわたっています。

番組は達人に対し、修業人に無理難題を仕掛けるようにけしかけます。たとえば、ほかのことで弱音を吐いた修業人のコメントを撮影して切り取って編集し、あたかも達人への悪口や、修業に対する不平不満のように見せかけ、それをこっそり達人に見せて達人を激怒させるというやり方もあったとかなかったとか。

従順な修業人には「ここで修業を投げ出してください」みたいに演出をお願いしていたといううわさもあったりなかったり。ある修業@沖縄では、ご主人が番組の「やらせ」に激怒して帰ってしまい、それが番組では修業投げ出しのように扱われていたり。また、逆に番組ではかなり険悪な達人VS修業人であっても、実際はしっかりと信頼関係をもって修業している場合もあります。

2001年頃には、週刊実話に男女7人同時修行のおっかぁが、取材の状況について取材に応じています。もともと20代の息子が修業するはずだったのが、交通事故に遭って母親が代理に出演することになったという。その記事では、カメラが回ってないところで達人の弟子達に「お前らは横から技術を盗んでいく」などとなじられたとか、 リタイアしたときに持ち合わせがなくしかも都内の集合場所から遠く離れた地での修行だったのに、元の集合場所までの交通費を支給してくれなかったというような話が載っていたらしいのです(残念ながら、まだ実物を読んでいません)。

ただ、寝るとき以外はカメラとマイクが付いて回ったというのは本当のようですし、起きている間はずっと働きづめで睡眠は3時間程度だったとか、食事も満足に食べさせてもらえず、夕方に一膳飯と汁物と魚一切れだったというので、60歳を過ぎた人には過酷だったのはたしかだったかと思います。

一方で、たこ焼きの達人「ひっぱりだこ」の揚野氏は、たこ吉修行のリストラサラリーマンに対する苦情を述べた中で「尚、今回の取材および放映に当たっては一切の虚偽がなかったことを達人本人が証明致します。そういうのがキライな私はスタート前に製作会社に対し(一切のやらせ、強要はせず貴社中心の取材といたします。)と念書をとったぐらいですから・・・」と書いています。

あくまで私の主観ですが、達人がTVでの宣伝効果を狙ったり、修行人を嘲り笑うようなスタンスで修行人に対応したという例は無いと思います。あるとすれば台本を書いた番組側が、現場でできる範囲で「演出」していたということではないかと思います。




伊藤Pのモヤモヤ仕事術という本があります。伊藤Pこと伊藤隆行さんは、テレビ東京の名物プロデューサーで、ディレクターデビューが愛の貧乏脱出大作戦だったそうです。この本の中に愛貧はヤラセか演出か、という問に対する制作側の答えがあります。


達人 竹麓輔と「むつみ屋」

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ヒロシ、コンちゃん、パパのラーメン3人修行は、愛貧の名作でした。

厳寒の北海道月形町でスープづくりで失敗を続けるヒロシ、そのヒロシがうまくいきかけたときに失敗して修業を放棄すると言いだしたコンちゃん。スープを台無しにしてまでコンちゃんを止めるヒロシ。ヤラセや演出では無い迫力がありました。

さて、その修業の場となったのが、むつみ屋の月形本店でした。

当時むつみ屋は、地元の新聞のラーメン大会で優勝するなどして、フランチャイズ化を推し進めようとしていた時でした。月形本店の横には大きなスープ工場を建設したばかりで、右肩上がりだったと思います。私も一度、月形本店にラーメンを食べに行ったことがあります。都会と違い、店員さんは良くも悪くものんびりしていて、内心、気が利かないなぁと感じたりしていました。

そんなむつみ屋ですが、2000年から5年ぐらいでフランチャイズ形式で急拡大します。

  1. 1987年ごろ ラーメン「蔵屋」を友人と共同経営
  2. 1996年12月 月形町にむつみ屋を開業
  3. 1997年   道新スポーツ あなたが選ぶラーメン大賞 むつみ屋が選ばれる
  4. 2000年2月  貧乏脱出大作戦ラーメン3人修行放送
  5. 2000年6月  ハートランド設立
  6. 2004年   年商41億円。直営とフランチャイズ合わせて150店舗超
  7. 2012年   赤字8億円。銀行が不動産差し押さえ。資金繰り悪化
  8. 2013年11月 自己破産。負債総額約15億
  9. 自己破産と同時に、YCP Retailingがむつみ屋の商標権、FC権を持ち、現在に至っている。ここには、ラーメンぷぅ(これも竹麓輔のチェーン店)の他、都内の小僧寿し路面店9店舗等を運営している。
  10. 全国に80店ほどある「むつみ屋」のどれぐらいがそのままチェーンとしてやっているのかよく分からないが、それなりに存続はしているようだ。
竹麓輔と検索しても、昔の情報ばかり。今、どうしておられるのだろうか。


愛貧店あるある

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番組にはいろいろな愛貧店が出てきますが、回を重ねてくるとだいたい貧乏店のパターンが見えてきます。

  1. お店が汚い
  2. メニューが増殖する
  3. 修行せず我流
  4. 素直じゃない
  5. 冷凍や出来合いの材料を使う
  6. 基礎体力が無い

おおよそこんなところでしょうか。

お店が汚いにもいろいろあり、掃除する習慣ができていないというパターンの他に、自宅の延長のようにいろんな小物を置きたがるというのもあります。実際、愛貧店に食べにゆくとレジ回りとか窓辺など、ちょっと隙間に食玩のおまけだったり、どこかの郷土土産だったり、そういうものをチマチマと並べていることがよくあります。職場だという概念が薄いんでしょう。

お客が来ないのでどうするかというと、おいしいメニューを工夫するのではなく、メニューを増やす方に展開してしまうのがありがちなパターンです。常連さんが増えてくれるのであればそういう居酒屋もありだと思うのですが、やはりおいしくなければどうしようもありません。

もう一つの方向は、冷凍食材や、出来合いの食材で対応してしまうというものです。たとえばそこいらのコーヒーショップであれば、仕入れのコーヒー業者がカレーでもピラフでもどんな食材でも調達してくれます。でもコーヒーショップで超絶おいしいカレーは求めません。でもカレー屋のカレーはきちんと作ってほしいところです。うどんやそばの修行は麺づくりから始めますが、自分が汗をかいて原料から作ることにより利益率も上がり、経営も安定します。

ただ、愛貧店の店主はお店での本格的な修行経験がないので、体力がありません。仮に客が大量に来たとしても足腰を傷めるんじゃないかと思います。

そもそもの話で、料理そのものにあまり興味が無い人が修業する場合があります。おいしいものを食べてもらいたいと思って作っているのか、工夫する意欲はあるのか、そういうあたりはカメラを通じて放送ににじみ出てくるものだと思います。そして何より達人が叱るのはそういう精神なんだと思います。

愛貧店が修業をして再出発するわけですが、多くのお店はうまくいかずにつぶれてしまいます。

ブームが去った愛貧店で話を聞くと、テレビを見た人が殺到する→常連さんの足が遠のく→ブームが去る→常連も戻ってこない、というパターンが多いようです。